2020年11月号 介護老人保健施設 創春館「スポーツの秋!療養棟の秋!」
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スポーツの秋!療養棟の秋!
療養棟二階では二十八日に運動会を行いました。準備運動として日頃に行っているラジオ体操で身体をほぐし、続いて少し大きなお手玉を使って玉入れを行い、赤、白仲良く共に一回ずつの勝利となりました。
更に、まりつきほどの玉と大きなバランスボールを交互に使って球回しを行いましたが、赤、白とも勝利数が同じで、この競技も引き分けとなりました。
メインイベントはパン食い競争でしたが、日頃見られないくらいの歩行速度と車椅子の自操に皆様の意気込みが感じられました。
余興として、職員による小麦粉の中の飴玉探しを行い、粉まみれになった職員を観て大笑いでした。真剣ながらも楽しんで下さっている皆様を見ることが出来て良かったです。
コロナの影響で面会が制限され、外出もままならない状況ですが、元気でいて下さるのがとてもありがたい事だと思いました。残り一か月程で今年も終わりになります。無事に年を越せるようにこれからも皆様方と一緒に頑張っていきたいと思います。
療養棟三階では、運動会を開催しました。選手宣誓から始まり、元気よくスタートできました。
玉入れやボール渡しリレー、パン食い競争を行い、「がんばれー!」と声を掛け合ったり、勝っても負けても拍手を送ったりと、想像以上に皆さんがイベントに協力してくださり、笑顔も多く見られ、楽しんで頂けたと思います。
最後には、去年と同様、だんべえ踊りで締めくくりました。鳴子を鳴らしたり、声もたくさん出して下さったので、とても盛り上がりました。
普段、体を動かすことがあまりないため、リハビリの成果を生かしつつ、たくさん体を動かせて、不穏になりやすい方も積極的にイベントに参加してもらえて良かったです。
今回はチーム分けを部屋別にしてしまったため、能力に差がついてしまいました。次回は事前にチーム分けをして、平等に競技に参加して頂けるようにしていきたいです。次回のイベントでも利用者様に楽しんで頂けるようなことをしたいです。
今月の事業所便り
春らんらん 春らんらん大運動会
十月十二日に春らんらん大運動会を行いました。
赤組と白組に分かれて、まずは両団長の選手宣誓です。皆様の気持ちが高まって、ラジオ体操で体をほぐして、競技がスタートです。
『玉入れ競争』は座って行う約束でしたが、思わず立ち上がってしまうほど、夢中で玉をカゴの中に入れていました。
『パン食い競争』ではこの日のおやつも兼ねているので、食べ物がかかると気合の入れ方も皆様真剣でした。
『うちわリレー』はうちわの上に、色画用紙で輪を作った物やお花紙を丸めて乗せて隣の人に送ります。次から次にまわってくるので隣同士、落とさないように必死です。ゴールした時は「やったー!」と喜びの声も聞かれました。
今年の優勝は赤組、準優勝は白組でした。金メダルと銀メダルの贈呈の後、お互い拍手で健闘を称え、笑顔で大騒ぎをした大運動会でした。
あかしあの里Ⅱ みんな笑顔で運動会
あかしあの里Ⅱでは、十月二十三日に運動会を行いました。選手宣誓を入居者様とスタッフ一緒に行い、さあ始まりです。
運動会の音楽が流れる中、紅白に分かれて、玉入れとボウリングで点数を競いました。
今回は、紅組が白組に差をつけて、優勝しました。特に、初参加の新しい入居者様が活躍されて、楽しそうにしている姿が目立ちました。スタッフ盛大な声援もあり、入居者様も皆さん笑顔に溢れていました。
安全に出来たので、また次回も安全に、そして楽しく開催したいと思いました。
今年の運動会は白チーム(男性)、赤チーム(女性)に分かれてチーム対抗戦を行いました。
それぞれのハチマキを頭に巻いて、まずは全員で気持ちよくラジオ体操を行い、身体をほぐします。心と体の準備も整い、いざ競技開始。
①玉入れ合戦 ②ピンポン玉リレー ③パン食い競争で競い合っていただきました。
果たしてその結果は…優勝は白チーム!赤チームは見事なチームワークでしたが今一歩力及ばず。それぞれのチームには手作りの金メダル・銀メダルを贈呈しました。
職員の飴玉探しでは顔を真っ白にした職員に大きな笑いも起こり、和やかな雰囲気で楽しく身体を動かす事ができました。
デイサービスわきあいあい 運動会
デイサービスわきあいあいでは、毎年恒例の運動会イベントを行ないました。今年は何をやろうか?と職員で相談をし、やはり定番の玉入れ、風船バレーは外せないとの事でチーム戦で行いました。
久しぶりの風船バレーでは、足を使ったり、体を使ってボールを落とさないように皆様必死になって行い短い時間でしたが楽しめました。
お昼に手作りすいとんをして皆で召し上がり「美味しいよ」「昔はよく家で作ったよ」との声をいただき完食されました。
なかなか皆で一つの事をやるというのが難しくなってきておりますが、出来る事を探しながら、今後も季節の行事を行っていきたいと思います。
あかしあの里Ⅲ かぼちゃの煮物でハッピーハロウィーン!
あかしあの里Ⅲでは十月二十三日ハロウィーンを行いました。と、言ってもほとんど皆さん馴染みが無いようで、「ハロウィーンって知ってますか?」と、伺っても「聞いたことはある」といった答えです。
そこで、いつも皆さんに召し上がって頂いているかぼちゃの煮物を少しアレンジしてハロウィーン風にしてみました。
夕食に提供すると「わあ、これはなに?」「かわいいね」と反応は様々で、怖々と箸でつまみ召し上がると、いつものかぼちゃの煮物だと分かったようで笑顔が見られました。
ほんの少しですが、皆さんにハロウィーンの雰囲気を体感して頂けたのではと思います。
ケアセンター星辰の家 星辰の家運動会!
十月二十三日、星辰の家ではこの時期恒例となっている運動会を行ないました。
最初の種目はバスケットボール対決。針金ハンガーをバスケットボールのゴールに改造し、その的を目がけてボールを投げ入れるゲームですが、気合が入り過ぎて勢い良くゴールからはみ出してしまう方も…。
次の綱引きリレーでは、牧管理者と松下副主任の顔写真の貼ってあるカゴにつけた紐を自分の元へ引き寄せるゲームで、どちらが先に自分の元へ引き寄せるかで競いました。紐の引き寄せ具合で右に左に…カゴの動きが面白くて利用者様からは笑いが起きました。
運動会の締めは定番の玉入れ。傘を逆さにして天井から吊るし一斉に玉を投げ入れました。皆様一生懸命投げ入れ、その表情から闘志が漲っていました。
三種目終了し、運動会を怪我する事無く楽しく終える事ができました。
グループホームゆめさき 夢前大運動会
十月二十五日、グループホームゆめさきでは運動会が開催されました。
利用者様による選手宣誓から始まり、紅白チームに分かれ、勝負の緊張感はありながらも終始和やかな雰囲気の中で進行していきました。
パン食い競争では「なかなか取れないねえ」とおっしゃり、苦戦されながらも皆さん身体を精一杯動かされていました。その他にもボール渡し競争や玉入れなどの様々な競技にも全力で取り組んで頂けました。
身体を動かした後の食事はより一層美味しいのか、手作りのお弁当に皆さん舌鼓を打たれておりました。
こうした会を今後も楽しめて行けるように普段から身体を動かす事を意識し、より一層健康に気遣っていきたいと思います。
デイサービスセンターゆめさき 夢前大運動会
デイサービスセンターゆめさきでは二十二日から二日間、ゆめさき大運動会を開催しました。
今年初めての競技「座って徒競走」は、座った状態でビニールシートを足で手繰り寄せるゲームで四人対抗にて行いました。皆さん初めてとは思えないくらい上手で、接戦となりました。
パン食い競争は、車椅子に乗った利用者様を職員が押して、吊るされたアンパンを咥えて先にゴールした選手の勝ちです。アンパンを咥えるのが難しく、苦戦する選手が多い中、コツを知っているのか一発で咥える選手もおられ、こちらも大変盛り上がりました。
普段のリハビリの成果を発揮し正々堂々と楽しむ事のできた二日間でした。
あかしあの里Ⅰ 運動会
十月十日(土)あかしあの里Ⅰで、運動会を行いました。
競技種目は『玉入れ』『風船バレー』『パン食い競争』の三種目。入居者九名と職員二名で、赤チーム・白チームに分かれて得点を競い合いました。
玉入れ・風船バレー・パン食い競争の順番で進行する予定でしたが、最初の玉入れが盛り上がってしまい…、時間が無くなってしまったために最後のパン食い競争は赤白の代表者での決戦に!結果は白チームの勝利となりましたが、試合が終われば皆ノーサイド。おやつの時間は皆で美味しいパンを頂きました☆
菜摘荘 大運動会
菜摘荘では十六日(金)に利用者様と職員全員で運動会を行いました。
玉入れと綱引きとパン食い競争の三種目を行いました。職員による選手宣誓の後に玉入れ、綱引き、パン食い競争と順番に行いとても楽しまれていました。
三種目が終わった後は職員の余興でコーラの早飲み競争です。利用者様の笑い声が聞かれとても盛り上がりました。昼食はイベント食でサンドウィッチやクリームシチュー等を召し上がって頂きとても喜ばれていました。
これからも利用者様の素敵な笑顔が見られるようなイベントを考えて行きたいと思います。
富士たちばなクリニック 通所リハビリテーション ブラックジャックの刺繡作品
クリニック通所リハビリでは、男性利用者様が色鉛筆で描いたブラックジャックの絵を女性利用者様が刺繍にした、初のコラボ作品が完成しました。
色鉛筆で描いたアニメの絵を見た女性利用者様が、ぜひ刺繍をしたいとお願いをしたのです。そして二ヶ月後、絵で描いたブラックジャックそのままに刺繍された作品が届きました。
左手で一針一針丁寧に刺繍された作品を見て『うわー、すごい!!』と職員、利用者様。とても素敵な作品に仕上がっています。
刺繍の作品と色鉛筆画は、しばらくクリニック通所リハビリに飾らせて頂いたのち、男性利用者様にプレゼント予定となっています。
介護老人保健施設創春館通所リハビリテーション 柿から飛び出す本日の主役!
十月十九日、二十三日の二日間、誕生会を開催しました。お誕生会では一年に一度主役となり、日ごろのリハビリの成果やレクリエーションで制作した作品等を皆様に紹介しています。
まずは、楽しいリズムに合わせ、皆様の拍手にて入場。お誕生者様の特別席に座り、司会者より紹介をしたところで師長よりお祝いの言葉を頂きます。
皆様がきっと…楽しみにしているだろうな・・と想像しながら職員の愛を込めて作成しているバースデーカードをお渡ししています。今回は秋の味覚「柿」をモチーフとし、大きな柿からお誕生者様の写真が飛び出す仕掛けを施して作成しました。(実は日曜日の長寿番組、サザエさんを見てひらめきました。)
今後も毎月遊び心豊富なカードを作成し、みなさまの健康長寿をお祝いしていきますので、お楽しみに!!
涼風の家 丸々一日!秋の大運動会
二十三日、涼風の家では、コロナ禍の影響で、なかなか外出できない入居者様の皆さんに、日頃の鬱憤(?)を晴らしていただくべく、秋の大運動会を開催しました。
今年は涼風の初の試みとして、一日丸々運動会!という事で、十時から十六時までぶっ通しの、その数なんと十四種目!!数日前から準備を行い、本番に備えました。
先ずは開会式の後、入浴衣類による選手宣誓に始まり、準備運動のラジオ体操(これは十四種目には含まれません)から。身体がほぐれたところで、運動会の定番の玉入れから始まりました。皆さん真剣な顔つきで頑張っていました。
種目も進んで、職員と入居者様のペアになっての二人三脚。皆さん「一,二,一,二」の掛け声で走る中、なぜか「一,二,三!」の三拍子で進もうとしている息の合わないペアには、皆さん大笑い(よく転んで怪我しなかったですねぇ)でした。
昼食にはお弁当スタイル(とは言っても職員の手作りです)で召し上がっていただき、運動会気分に浸っていただきます。
お昼休憩の後、午後からは障害物競走や、床に置いたターゲットにお手玉を投げ入れるお手玉投げなど、和やかな雰囲気のなか種目は進みます。
そしてこれも運動会の定番、パン喰い競争では、皆さんお昼を食べたばかりですが(?)、真剣なまなざしでパンを咥えて頑張っていました。
その後は職員によるピンポン玉をラケットで運ぶバランスリレーなど笑いの絶えない運動会となりました。
最後の種目ののうさぎ音頭で皆さんクールダウン。表彰式を行って笑顔の絶えない運動会は終了です。皆さんお疲れさまでした。その日の晩は皆さんよく休まれたようです。
グループホームしらさぎ おやつ作り
十月一日、今日は十五夜です。グループホームしらさぎではおやつ作りで十五個のお饅頭を作りました。
とある利用者様の昔話でその地域では縁側に収穫した野菜とお饅頭を飾り、その日だけは子供たちは縁側に飾ってある野菜や饅頭を自由に取って食べていいそうです。子供たちの間では、どこそこのお饅頭が美味しかったと感想をのべあったそうです。
子供の頃の楽しい一日のお話を聞かせて頂きました。今では日本の風物詩に触れる機会が少なくなっている私たちは利用者様の昔話を聞いてほんわかした気持ちになりました。
今後も利用者様の楽しい昔話が聞ける様な、催しをして行きたいと思いました。
明月 タオルでワン!ツー!介護予防体操教室
十月十三日(火)明月では、快晴の橋本トレーナーよる介護予防体操教室が行われました。
今回は、タオルを使った運動です。腕はもちろんのこと、足や頭も使った全身体操を利用者様は、熱心に取り組んでいらっしゃいました。
「簡単すぎるから、もっと難しいのをやろうよ。」「体を動かすには、いいねぇ。」と、元気一杯。
短い時間ではありましたが、有意義な時間を過ごしていただけた様子でした。
寒い冬に向けての体力づくりはもちろんのこと、利用者様がいつまでも健康で楽しい時間を過ごしていただけるよう、イベントを企画して行きます。
今月の行事予定
20・21・24日 | お誕生日会 |
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上旬 | 紅葉ドライブ |
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26日 | お誕生日会 |
未定 | おやつ作り |
中旬 | 手作りおやつ |
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20・29日 | お誕生日会 |
3日 | 文化祭 |
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20日 | 手作りおやつ |
未定 | 紅葉ドライブ |
10・11日 | パンバイキング |
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未定 | おやつ作り |
2日 | まんじゅう作り |
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13日 | 避難訓練 |
16日 | 生け花教室 |
24日 | 焼き芋会 |
11・19・21・27日 | お誕生日会 |
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9・10日 | おやつ作り |
5・6・7・12日 | 上映会 |
18日 | 紅葉ドライブ |
未定 | おやつ作り |
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未定 | 紅葉ドライブ |
未定 | 紅葉ドライブ |
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未定 | おやつ作り |
11月中 | しめ縄作り |
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未定 | お誕生日会 |
10日 | 昼食会 |
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19日 | お誕生日会&手作りおやつ |
7~15日 | 紅葉ドライブ |
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29日 | お誕生日会 |
新入職員紹介
眞下 美波
住所 | 渋川市 |
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所属 | 富士たちばなクリニック 通所リハビリテーション |
趣味 | ランニング・旅行 |
施設について感じた事 | 利用者様とスタッフとの距離が近く、アットホームで優しい方が多い環境の中で働けている事に感謝しています。 |
利用者の皆さんに一言 | 足りない部分も多いかと思いますが、先輩方を見習いながらも初心を忘れず、一人前の理学療法士になれるように頑張ります。今後も宜しくお願いします。 |
院長先生の健康豆知識
トラちゃんの話(そのⅠ)
前橋敷島公園から北に向かい、バラ園を通り過ぎた辺りに、三階建てのアパート風の建物がありました。今はいくつかの家が建ち目立ちませんが、四十年前は広々とした田んぼを前にしてくっきりと目立つ建物でした。
その建物の道路に面した西の角に、クルクル回る「赤」「青」「白」のサインポールがあり、そこがトラちゃんの店でした。入口の上には「トラちゃん」と大きく横書きされた横幅三メートル程の看板が掲げられていました。
「トラちゃん」の看板は、東側の道路からはくっきりと見られ、そのインパクトある名前に心魅かれたのでした。理髪店の名に「虎刈り」を連想させる名前を付ける人は、そうはいません。医院であれば「ヤブ医院」、店であれば「不味い店」という名をつけるようなものですからね。あえてそうしたタブーをジョークに変えた店主の心意気に興味を抱きました。
店に近づくと、サインポールの横に、二、三人は軽く乗れそうな大きな木製のボートが置かれていました。訳の分からないボートの陳列に、少しドキドキしながら、小さな入り口を入っていきました。入ってみると八畳位の店の中に、大きなバイクが置かれており、木製の床で醸し出された雰囲気は、西部劇の居酒屋風でした。窓際に座った、一目で暇つぶしをしていると分かる中年の男性が楽しそうに仕事中のトラちゃんに話しかけていました。丁度酒を飲んでいるカウボーイのように。
そんな男の人の横に腰掛け、店主らしき人を眺めていると、そこには、小柄でほっそりとした、髪は全体に短く刈り上げ、顔付きはスマップの仲居君を少し不細工にしたような、明るくてきぱきと動く三十代前半の男性がいました。
それがトラちゃんでした。
「どんな髪型にしますか」と尋ねる物言いは少しオカマ風で優しく、安心しました。
「中学時代から変えた事のない髪型なのですが、お任せします」と切って貰ったところ、経験したことのない短さに刈り上げられ、びっくりしましたが、意外に似合っていると思える「トラちゃん刈り」に満足し、それ以来四十年間ずっとお任せでお世話になっています。理髪店店主とお客さんの関係というのは、主治医と患者さんのそれと似ているところがありますね。
年と共に薄くなってきた髪の毛の責任が、トラちゃんにある訳もないのですが、四十年近く私の髪の毛を眺めてきたトラちゃんには、それなりの感慨があるのでは、と想像する事があります。
数年前から「トラちゃん随分毛が薄くなってきたよ」と言うと、明るい声で「いやぁ、まだまだ大丈夫ですよ」慰めてくれて、その慰めがリップサービスだと思いつつも、大いに慰められていたのですが、これなどは、医者が患者さんに「まだまだ長生きできますよ」と励ます状況と似ていますね。そんなトラちゃんも最近では、私の言葉に返答が詰まる感じになってきました。少し悲しい気持ちになります。
つい先日切って貰った時には、世間ではコロナ騒ぎで、やれマスクだファイスシールドだって言っているのに、仰向けになって目を閉じ髭を剃って貰っていると、話に夢中になっているマスクのないトラちゃんの口からは、盛んにしわぶきが飛び散り、私の顔に降りかかってくるのです。コロナに敏感な人には目もそむけたくなる情景だろうなと、二人のワイルドな性格に心の中で笑いをぐっと噛みしめ、少し嫌だなと思いつつも、そのしわぶきを甘んじて顔に受けていました。
トラちゃんは十数年前、敷島の店をたたみ、車が多く通る道路沿いに店を構えました。店の名前は「トラちゃん」ではなく、トラちゃんの本名に変えていました。
「いい店だったのに、どうしてたたんだの」と聞くと、「実はあの店は借りていたもので、店の奥には三畳位のスペースしかなく、そこで夫婦二人寝起きしていたんですよ」、「寝ているとどこの穴から侵入してくるのか分かりませんが、チョロチョロと二人の枕元をネズミが動き回ってるって事もありました」と言うのです。
ただ髪の毛を切って貰うだけの関係だから、そんな裏事情があったなんて、想像もできませんでした。夫婦で努力し、大通りに一軒の店を構える事ができたのは、トラちゃんにとって出世街道であったようです。店の名前の変更もそんな意味合いがあったのかも知れません。つい長話になってしまいましたので、トラちゃんの話の続きは次回にしたいと思います。
文芸作品
朱咲(六供) 利用者様作品 工藤香泉様
診察を待ちゐる人の大半は
戦時を耐へたる後期高齢者
十八歳で死を覚悟せし志願兵が
卒寿を越えて死を恐れをり
涼風の家デイサービス利用者 阿久津昌子様作品
収穫の 秋を迎えた 周囲の田
機械によりて 稲刈り進む
倉渕の 山をも消した 今日の雨
午後は静かに 霧昇りゆく
涼風の家デイサービス利用者 阿久津昌子様 生け花作品
リハビリコラム
リハビリの評価について(関節可動域編)
評価は利用者様の身体の状態や生活環境を把握するために行います。
評価をしてなにが解るかというと、例えば、「頭が洗えない」という方にいきなりリハビリはしません。
「頭が洗えないのはなんで?肩があがらないから?肘が曲がらないから?」など最初は何が原因なのかわかりません。そこで原因を突き止めるため、筋肉や関節、痛みの評価を行います。
原因が関節の動く範囲(関節可動域といいます)にある場合は、その角度を定期的に測定して、改善したか、維持できているか、悪化しているのか、状態を確認します。
ちなみに、頭を洗うときは肩が八十五度あがり、二十度外に開けるくらいの関節の動きが必要です。
関節は、動かさないと大体二週間ほどで固まり始め、四週間ほどで関節だけではなく周囲の組織の癒着が始まります。また、無理に動かすと炎症や痛みの原因にもなります。
理学療法士 橋本成美
編集後記
今月のさんぽみち、いかがでしたでしょうか?
日に日に秋の深まりを感じることが出来る季節となりましたが、朝夕の気温差から体調を崩さぬよう皆様お体ご自愛下さいませ。
伊香保ケアセンター明月 島村ひとみ