平成17年4月号
4月号 もくじ
********** 今月のトピックス **********
たくさんの慰問で賑やかな一ヶ月と成りました
太巻きを作りました~療養棟2階~
雛祭りの会~療養棟3階~
通所リハビリのひなまつり会
あかしあの里・わきあいあい便り
ゆめさき便り
今月のリハビリ敢闘賞
投稿作品
********* 名倉院長の健康豆知識 *********
カロリー制限と寿命について
*********** 4月の行事予定 ***********
********* 編集後記【あしあと】 *********
たくさんの慰問で賑やかな一ヶ月と成りました
通所リハビリ
今月、通所リハビリでは数多くの慰問方々が慰問に来て下さり、とても賑やかな一ヵ月間となりました。
3月10日、南橘ハーモニカクラブの皆様による演奏会が行われました。以前にも数回来館され、
今回も小野先生を筆頭に皆さんで全12曲もの素敵な音楽を聞かせてくれました。 12日には、
日輪寺ふれあいコーラスの皆様によるコンサートが行われました。音楽教室をしていただいている関先生の伴奏に合わせて、
またこちらのリクエストに応えながら、奇麗なハーモニーを奏でられました。
15日には、藤寿流の皆様による舞踊発表会が行われました。華麗な舞と歌の発表に利用者の皆さんから拍手と歓心の声が起こりました。
女性的なしなやかさと、時には男性的な力強さが舞の中に表現されていて流石でした。
16日には、今回初めての芙謡会の皆様による三味線発表会がありました。三味線に合わせてお馴染みの黒田節や花笠音頭、
赤城の子守唄など13曲を披露して下さいました。旅役者姿の踊りもまた盛り上げになり、三味線の音色と歌とで大喝采でした。
25日には、一柳先生による絵手紙教室が行われました。今回は3月ということで折り紙で作られた雛人形をハガキに貼り、
おのおの好きな桃の判子で飾り付けした絵手紙を作りました。
28日には、コールポプリの皆様によるコンサートが行われました。菜の花コンサートと題し、
春の歌を中心とした女性の美しい声にあった素敵な歌ばかりでした。歌を聞き心まで温まる気がして、外の寒さも吹き飛ぶほど盛り上がりました。
3月は沢山の方々に来ていただき、利用者の皆さんも大変喜ばれていました。利用日によって内容は違いましたが、
月~土曜日まで全ての曜日で行えたことで、全ての利用者さんが楽しまれたと思います。寒さの続く日々でしたが、
リハビリルームでは一足早い春が訪れたような一時でした。
太巻きを作りました ~療養棟2階~
療養棟2階
療養棟2階では、3月16日におやつ作りとして
「太巻き」を作りました。
少し早い春の訪れを感じる、オレンジ色の人参や、たんぽぽのように黄色くて甘い厚焼き玉子、きゅうり、
そして優しい桜色のでんぷを加え沢山の太巻きを作りました。
「昔はおめでたい事があると、よくこうして作ったもんだよ」「もう春だね」など昔を懐かしんだり、季節感を味わいながら、
女性を中心に楽しい時間を過ごしました。ある女性は「主婦に戻ったみたい!」と手際よくまきすを上手にまく姿もありました。
途中、男性からは「お酒がほしいな~!」と皆で作った梅酒を飲みながら、たくさんの話に花が咲きました。
これからも美味しいものを素敵な人達と一緒に笑顔で食べられる幸せを共有していけたらと思っています。
雛祭りの会
療養棟3階
療養棟3階では、
3月3日に雛祭りの会を行いました。
可愛いお雛様の塗り絵に皆、思い思いに色をつけ廊下に飾りました。
その後はお待ちかねの甘酒と雛あられを食し、「おいしいよ」と皆さんで楽しむことができました。又、雛祭りの雰囲気が味わえたよ。
と喜んで下さる方もおり楽しいひとときを過ごす事ができました。
通所リハビリのひなまつり会
3月3日、通所リハビリにて、ひな祭り会を行いました。
当日は、4つのチームに別れ、1チームに1人、利用者さんがお内裏様とお雛様になり、新聞に折り紙を貼り付けたり、
ビニールテープを巻いたり、仮面を付けたり、かつらを被ったりと、とてもユニークなお内裏様とお雛様に仕上がりました。
1人1人が参加できるように車椅子で回りながらお内裏様役、お雛様役の利用者さんに飾り付けをしていただきました。作業中も笑いが絶えず、
楽しんで頂けたようでした。
その後、春に関わる歌での歌合戦を行いました。歌合戦で出てきた歌はほとんど童謡でしたが、
相手チームに負けじと大きな声で歌いとても楽しんで頂けたようでした。また、職員による余興で「荒城の月」の舞を行いました。
帰りの際「楽しかったよ」という利用者さんの声を聞き、とても嬉しく思いました。
今後も利用者さんに喜んで頂けるような行事を計画していきたいと思います。
あかしあの里・わきあいあい便り
デイサービスわきあいあい
DSわきあいあいでは、3月22日に「みさと梅まつり」へ行ってきました。
昼食は『ぜいたく』にも、梅林の中でのお食事です。お店の人が出してくれたおやきや、キャラブキ、たくあん等とても美味しく、
お弁当も一層おいしさを増し食べることができました。いい景色の中、梅の香りを近くで感じ、
雨も降らず気持ちよく季節を感じることができました。
写真はそこの梅林で撮影したものです。梅の花をお土産にもらい、また一つ楽しい思い出ができました。
あかしあの里I
あかしあの里Iでは、
3月13日に箕郷町へ梅を見に行ってきました。前もって計画していたとはいえ、行く前からあまり良い天気ではありませんでした。
箕郷の梅林内の駐車場でトイレタイムをとり車から出ると、強風でとても寒く梅林を眺めながら昼食を摂る、というような暖かさでなく、
歯がガタガタ震える思いでした。
帰りに日本絹の里に寄りましたが、その日はとても混んでいて、結局、あかしあの里に戻り昼食となりました。
美味しい手作りお弁当を梅林の中で食べられれば良かったのですが、自然の力はすごいと思いました。そして、
ホーム内は暖かく過ごせることの幸せを改めて認識しました。
あかしあの里II
あかしあの里IIでは、
3月9日に、ある老人福祉センターへお弁当を持って出掛けました。前に何度も行ったことのある方、初めて行かれた方等様々でしたが、
老人福祉センターでは、歳の近い方が多いせいか、とても楽しそうでした。
カラオケを聞いたり、館内を散策されたりと皆様とても楽しまれ、また遊びに来たいという方もいて楽しい一日を過ごす事が出来ました。
あかしあの里III
あかしあの里IIIでは、春とは名ばかりの肌寒い3月10日、
敷島公園に梅の花見に出かけました。
梅の花の香に誘われた花見客が大勢いる中、みんなでワイワイと楽しい花見ができました。
帰りは、みなさんが一番喜ばれる「おすし」を食べて帰りました。
ゆめさき便り
グループホームゆめさき
グループホームゆめさきでは、
3月7日にイベント企画として「外食へ行こう!」と題し、前橋総合福祉会館内にある「CAFEとらっぱ」へ出かけ、
昼食をいただきました。
現地までの車内では皆様で雑談や歌をうたい楽しみました。店内は障害者に優しい作りになっており、車椅子での利用も可能です。私達は、
大人数でしたので他のお客様に、迷惑のかからないよう心がけ、日替わりランチを味わいました。
「おいしいね」「また来たいね」の声が聞こえ、食事を楽しんできました。
デイサービスセンターゆめさき
デイサービスゆめさきでは、
3月21~26日に梅見ドライブへ出かけました。
去年は箕郷梅林へ行きましたが、乗車時間が長く、皆様疲れてしまう様子だったため、今年は近郊にしました。まず、
荻窪公園跡地に行ったところ、そこにある梅は満開で皆様からは歓声が上がりました。背丈より少し大きい梅を背景に記念写真を撮り、
香りも十分に堪能していただきました。「ここでおにぎりを食べたいわねぇ」との声も聞かれました。
その後は、休憩をかねて嶺公園へ移動をし、梅を見ながらお茶を飲みました。梅、紅梅、蝋梅と、いろいろな梅を見ることができたようです。
あっという間に時間が過ぎてしまい、ゆめさき到着。限られた時間の中での梅見でしたが、皆様に喜んでいただけたかと思います。
今月のリハビリ敢闘賞
今月のリハビリ敢闘賞
今月のリハビリ敢闘賞は樺沢ゆき様です。
来館時はもちろん、自宅でも自主的にリハビリに励まれています。利用当初から続けている言語訓練の努力もあり、言葉も聞き取りやすくなり、
ゆきさんから「おはようございます」「ありがとう」と職員に声をかけていただきとても嬉しいです。また字を書く練習も続けられていて、
ノートもすでに15冊目となり、会話での交流の他に、他の利用者の方と手紙をやりとりされています。
レクリエーションの時間にゲートボールを行うと、以前、審判を務めていた腕前を皆さんに披露していただき、大活躍でした。
手作業でも右半身に麻痺がありますが、現在、パンジーの花の刺繍に取り組んでいます。一針、一針、根気よく作業され、
ゆきさんのパンジーがきれいに咲く日を楽しみにしています。
これからも、ゆきさんに笑顔で声をかけていただけるようお手伝いさせていただきたいと思います。
投稿作品
国定一家、赤城の山を追出し坂本 正之助
さて、浅太郎が叔父・ 勘助の首を持って忠治親分、日光円蔵、三木の文蔵、清水の頑鐵山王・民五郎の前に差し出し、 これで浅太郎と勘助との間に二心の無かったことで一件落着したように見えたが、浅太郎にしてみると親分に疑われたことが心に残り、「これで浅太郎に二心の無かったことがお解りでしょう。今日限りで親分乾分の盃を水に流しておくんなせえ」と忠治に言った。忠治は、 ここで浅太郎に山を下りられたら国定一家の片腕を取られたのも同然、忠治にしてみれば今は一人でも多くの乾分が欲しい立場にあった。 そこで忠治は、「浅、今一度思い直してくれ。その代わり勘坊は忠治が命に掛けても堅気に育てるから」と深々と浅太郎に頭を下げた。 これが忠治にとって一生の不覚であった。浅太郎もここまで親分に頭を下げられては、所詮親分を好いて命を預けて乾分になったのだから、 「親分、良く解かりましたでござんす。親分、今一度親分について参ります。お願いします」と忠治に頭を下げると、忠治は「浅、 良く言ってくれた。ありがとうよ」と浅の肩を叩いて喜んだ。
時は天保十三年八月二十日の夜明け前、 勘助に小遣を貰って町に遊びに出いてた手下の捕手達数人が勘助の在所に戻ってみると首のない勘助の骸がらが横たわっており、 捕手達は驚き大変な騒ぎとなった。直ちに官八州を取り締まる大官・中山誠一郎の所に通達して勘助の骸の始末をした。
さて、通報を受けた中山誠一郎は、これは忠治一家の仕業ではないか、おのれ忠治め博変打ちの分際でお上に逆らうとは何ごとだと、 ここで官八州の役人に集結を求めいよいよ赤城の山の山狩りとなった。中山誠一郎は高崎、前橋、渋川、大胡、伊勢崎、 桐生各地区の役人を集結させ、また江戸から指揮を取る富田錠之助に依頼して捕手達の支配をお願いした。与力、同心、 目明を含めて総勢三百人が集結し、これで赤城の山狩りは整い、西は渋川、南は大胡、東は大間々の三方からの山攻めの配置が決まった。 こうして赤城山中を虱潰しに攻める攻略で手配された。
その頃、忠治は日光円蔵を頭に二十数人の乾分と今日か明日、赤城の山を下るのもこれが最後かと、あの忠治の名台詞「赤城の山も今宵限り、 生まれ故郷の国定村を捨て、縄張りも捨て、かわいい乾分の手前達とも別れ別れになる門出だ」と乾分達に告げた。その夜、 田部井村の名主の宇右衛門が厳しい役人の目を掠て忠治の籠もる洞窟に訪れ、「親分、今勘助殺しがあってから厳しい取締りでござんす。 でも今のうちなら山から散ることができます。どうか親分、今のうちに山を下りてください。 今ここで役人達と騒ぎごとを起こしたら民百姓にまで被害を被り磔台が増えることになります。どうか今のうちに山を下りてください」 と宇右衛門は忠治に頭を下げた。だが、忠治は「いろいろ心尽くし有難うござんす」と頭を下げたが、「今の忠治にはあの悪大官・ 中山誠一郎を上州から追い出すまではなんとしても山から下りる訳にはいかない、今の心境を御察しください」と宇右衛門に告げた。宇右衛門は 「よく解りました。それでは親分くれぐれもお体を大切に」と述べ、山を下りた。 そこで忠治が官八州の役人を相手に波乱を起こすのか、 このまま速やかに山を下りるのか、これからの忠治一家の先途はどうなるのか、この先のお話は次回のさんぽみちで宜しくお楽しみに。
小学生のように鉛筆を嘗め
『想いつきのまま』~文豪とはどんな人~について 酒井 信江
昔も今も社会の人々が、多くの男女が老いも若きも文豪と呼んでいる作者が居られる。 世界のこの文学者は消えることなく青年の頃から各々の皆様が忘れないで話題として私達老人に伝えられて口の中のアメ玉のよだれと一緒に笑みが出て楽しい集りの夕べに元気を頂いて嬉しい日が作られた。 市公民館に集りの夕べを想い出すのです。未練の様に揺り返して忘れない、其の頃はまだ健康で一人で歩けた頃の三十代後期で、 まだまだ若かった私も今年五月七日が来ると米寿とかになります。両親から頂いた命。有難く誠に有難く。今、自分の番を生きて居ります。
本筋の文豪の名のことについてお話を戻すことにします。私の手元にあります二冊ほどの辞典と広辞苑ですが、この本によると、文豪とは
「文章に抜きん出ている人。そして文学に優れている人。文章の大家であり文学の大家。」と説明してあります。
それに違いありませんが単に優れた天才的な異色のある作家を差すのではなく『その時代を代表する多くの優れた作品を書き、人としても豊な見識を持った偉大な文学者を意味します』と有ります。
外国の文学者で言うならば
一、イギリスのシェイクスピア
二、ドイツのゲーテートーマスマン
三、フランスのユーゴーバルザックゾラ
四、ロシアのトルストイ、ドストエフスキー
といった、それぞれの国を代表する真の文豪の名に値する偉大な作家でありましょう。我が国では、夏目漱石に並んで森鴎外であり別格として川端康成でありましょう。小説雪国も伊豆の踊子、勢者駒子、かほるちゃん。
活字の好きな人物は忘れることはないでしょう。
『さくら』山田 享子
今年もまた、さくらの便りが聞こえてきました。
私にはさくらは、特別の想い出があるのです。それは、三十代の昔の私はその時、病室に赤丸の付いた重患でした。
生まれてすぐの赤ちゃんを亡くし、産後快復出来ないその翌年愛する夫を亡くした私は、度々起きる心臓発作で起き上がる事も出来ない身体でした。ベットの上で私は、早く二人の待つ天へ行くことばかりを考えていました。
当時入院中の病院は利根川のほとりにあり、春、四月は風に乗ってさくらの花びらが病室までも舞い込んで来ました。
どうしてもさくらが見たいと駄々をこねる私を、優しい担当医がストレッチャーに乗せて川の堤の上まで連れて行ってくれました。
真白い毛布カバーの上にやさしい香りのさくらの、ピンク色の花びらが美しくホロホロと舞い散った。嬉しかった。生きてここにいる事が、涙が出るほど嬉しかった。来年もきっと生きてさくらの花を見よう・・・と心に誓いました。
以来、毎年咲くさくらは私にとって生きる希望となりました。今年もさくらは咲きそして散るでしょう。
私に生きる喜びをその優しい温かい香りにのせて、ホロホロと春風に美しい舞を見せてくれる事でしょう。
文芸作品
人生の良き師 良き親 良き鏡
子や孫へ 至福の遺産 親孝行
はるかなり 大地の恵み それぞれに
父の歌 桜吹雪に 無法松
栗林 章治
若き日も 手を握る ことなかりしを
今老妻の 歩行器となる
一日の リハビリ終えて 帰りたる
椅子に残せし 妻の温もり
病み疲れ 介護つかれの 二人にて
暫らく春の 風の音聴く
半世紀 共に過せし 妻は今
車椅子にて リハビリに行く
笠知衆の 「あるがままに」を 手本とし
余生すごさん 映画遠きし
影山 えいじ
二度とまた 歩けるなんて 自分すら
このうれしさは 我より他に 知る人なし
梁瀬 さと
水仙に 癒されている 誕生日
いつのまに 春を見つけた 蕗のとう
土田 修緑
坂本さま、酒井さま、山田さま、栗林さま、影山さま、梁瀬さま、土田さま、ご投稿ありがとうございました。
名倉院長の健康豆知識
カロリー制限と寿命について
いきなり爺ばかぶりを披露して申し訳ありません。4月6日は、私の可愛い可愛い孫・菜々美ちゃんの誕生日で、今年で2歳になり、 ようやくよちよち歩きができるようになりました。今は遠く仙台に住んでおり、たまにしか会えないせいもあると思いますが、 人見知りの激しい子で(爺ばかで言えば、認知能力が高く頭の良い子で)、どんなにかあなたのことが大好きなジイさんかを知らず、 抱きつこうとすると、とても冷たい目で邪険に手を振り払われます。あの冷たい目には本当に心が傷つけられます。いずれの日にか、 自分に好意を寄せてくれるジイさんに、優しい声をかけてくれる日が来ると楽しみにしているのですが。万が一、 好きになってくれなかったらどんなに悲しいかと考えることもあり、 まるで思春期に戻ったかのように菜々美ちゃんのことを考えると胸がキュンとなります。
孫の幸せを願いつつ私達の心はこうして老境に入っていくのでしょうね。翻って身体の方の老境はといえば、 目に見える変化として手の甲あたりにしみが出現し、頭髪も薄くなり、身体の柔軟性も失われつつあるのが実感されます。しかし、 そうした皮膚のしみやしわ、背骨が曲がるなどの外見上の変化や白内障で目が見えにくくなり、 耳が遠くなるなどの感覚器に見られる老化だけでなく、目には見えない私達の内臓の機能も確実に老化を免がれないという事実は、 意外と見過ごされているようです。
最近、高齢者の方で栄養が足りないと長生きができないと考えている方が数多くいますが、 この点について内臓の老化という観点から考えてみましょう。まず第一に最初に食物が貯留する胃についていえば、 胃を構成する平滑筋の伸縮力が低下し、胃の拡張と食物を十二指腸に送る力が老化します。したがって、 若い頃と違って一度に多量の食物を摂取するとつっかえ感が出現してくることになります。また、胃の内面を覆う粘膜が萎縮するため、 胃酸やペプシノーゲンなどの消化吸収を助ける分泌液が少なくなり、そのせいもあり、食べたものが次の十二指腸へ運ばれにくくなります。 十二指腸では、脂を消化する胆のうからの胆汁液や糖を消化する膵臓からの膵液などが分泌されるのですが、 いずれもその分泌能力が老化とともに低下し、消化能力を超えた脂や糖は未消化のまま次の小腸、大腸へと運ばれることになります。 こうしたことが高齢者の糖尿病などの原因となります。 食物塊を運ぶ腸の蠕動運動も老化による自律神経機能の低下によりそのリズミカルな律動が失われる傾向にあるため、 下痢や便秘を誘発しやすくなります。以上、極めて簡単に述べましたが、 私達が食事をし排泄するに至る一連の過程にも確実に老化の影響が訪れることになります。消化吸収の観点から考えるなら、 明らかに消化吸収能力を超えた食事摂取量は益になるどころか、むしろ害となると考えていいでしょう。そして、 現在の日本では大多数の高齢の方々が、無自覚なまま必要以上のカロリーを摂取しているのが実情なのです。 カロリーを減らすことは身体に良いことであるというのは、最近になり様々な方面から報告され、 カロリー制限をすると寿命が延びるというのは真実のようです。長年にわたり、世界中で様々な老化防止法が研究されてきましたが、 そのうち唯一、生物の寿命を延ばすことが証明されているのが、食事のカロリーをコントロールする「カロリー制限」と呼ばれる方法なのです。
現在、日本は長寿社会を謳歌していますが、 これらの長寿の大部分の方々が戦前から戦後にかけて他動的なカロリー制限を実施してきた世代であることを省みるならば、 今の飽食時代を生きている私達にも長寿が待っている保障はないと考えるのが自然な考えではないでしょうか?
4月の行事予定
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編集後記
さんぽみち4月号いかがだったでしょうか?
4月に入りやっと春の陽気になりました。皆さん、桜満開の季節ですね。お花見などを楽しみにしていた方々もいらっしゃると思います。暖かい日差しの中、外で食事をするととてもおいしく感じますね。
これからだんだん日差しが強くなると思いますが、外出のときは気をつけてくださいませ。
《広報委員 小林》