平成30年11月号
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・編集後記
第28回群馬県老人保健施設大会開催!!
十月二十日(土)にベイシア文化ホール、前橋商工会議所会館にて群馬県老人保健施設大会を開催しました。「実践する愛と思いやりの場-医療・リハビリ・看護・介護の現場から-心豊かな老後社会を目指して」をテーマに群馬県中全ての老人保健施設が参加されました。今年は創春館が主催という事もあり、通所リハビリ、療養棟、リハビリの三部署が午前中の演題発表に参加。通所リハビリは「次のコンテストはいつ?」、療養棟は「外国人スタッフの成長過程」、リハビリは「重大事故からの社会参加への応援」の演題で三名の方が発表を行いました。六会場にそれぞれ多くの方が参加し、発表内容も良く、とても素晴らしいものでした。今年の優秀発表者は内容がとても良い施設が多いためか、残念ながら創春館からは選ばれる事はありませんでした。しかし、発表には沢山の方が質問を行ったり、または発表を聴き入っている様子が目立ちました。セミナーは各会場にて行われ、特別講師の方が熱弁し、参加者の皆さんは、真面目に話を聴かれていました。どの会場もとても勉強になる事が多く、このセミナーを機会に実践する施設も増え、群馬県中の施設がより良い環境や施設、スキルアップに繋がるような内容となりました。
午後の特別講演では女優の高橋惠子さんを講師としてお迎えしました。演題は「生きる事 演じる事」。院長と高橋惠子さんとの対談でした。院長先生が高橋惠子さんの内面を引き出し、女優としての生き方や、ひとりの女性として、プライベートな事についても赤裸々に話され、とても和やかな雰囲気の中で行われました。最後に高橋惠子さんが院長作成の手紙を朗読された際は、会場にいた皆さん全員が感動され、涙ぐむ方もいらっしゃいました。朗読が終わると大きな拍手があり、とても良い雰囲気で閉会しました。
今年の老人保健施設大会は平成最後の大会となりましたが、それにふさわしい内容となりました。参加された他施設の方々、本当にお疲れさまでした。来年以降も素晴らしい大会になる事を願っています。
今週の事業所便り
療養棟三階 秋の大運動会
療養棟三階では、十月秋の運動会を開催しました。紅組白組両キャプテンの選手宣誓の後、第一種目のパン食い競争が始まりました。利用者皆様が大好きなあんぱんに向かい、大きな口を開けてゴールを目指し必死の形相で進んでいきます。見事にゲットし、パンを咥えた顔は、皆様嬉しい良い笑顔が見られました。最初からすごい盛り上がりです。次は風船運びリレーですが、僅差で紅組が勝ちました。玉入れでは引き分け。最終種目の職員対抗雑巾がけレース、長い廊下を猛烈なデッドヒートを繰り広げ見事紅組が勝利しました。パン食い競争で取ったパンを皆様で食べて、今年の運動会が終わりました。利用者様・職員皆が童心に帰り楽しんだ一日になりました。これからも利用者皆様を一緒に楽しめる行事を三階職員一丸となって協力し企画していきたいと思います。
クリニック通所リハビリ クリニックの秋
秋も深まり、朝夕めっきり寒くなってきましたね。
冬はもうすぐそこまで来ているようです。さて、クリニック通所リハビリでは秋を感じてもらおうと折り紙で作った栗、柿、ハロウィンかぼちゃのジャック・オー・ランタン、おばけに利用者様の顔写真を貼って飾ってあります。季節が変わるごとに、利用者様と折り紙でその時季に合ったものを折りながら作品を仕上げる事をとても楽しく思います。これからますます寒くなりますが、風邪に負けないように元気に過ごしましょう。
春らんらん 外食会
十月二十九日に、外食会を行いました。予定していたお店が改装工事の為、急遽「くら寿司」に変更しての外食会となりましたが、急な変更でもメニューを見ながら、「どれにしようかな?」、「お寿司大好きだから、嬉しいよ!」と、優しい言葉を頂き、秋晴れの中いざ出発です!「回転寿司は久しぶりだよ」と、車中でも皆様楽しそうに話していました。くら寿司では、レーン半分を貸し切りにして頂いて、(ご配慮ありがとうございました。)席に着くと、美味しそうなお寿司が次々と流れています。「いっぱいお寿司が流れてくるから、見ていると目が回りそう」、「早く食べた-い!」と、皆さん待ち遠しそうです。職員の挨拶の後、タッチパネルで入力したお寿司が届くと、「これ、私のだよね」、「あれと同じの頼んでくれる?」と、普段はお粥や副菜が一口大の利用者様も美味しそうに召し上がっていました。「こんなに食べたの、久しぶりだよ」、「楽しかった。また来ようね!」と、大満腹の外食会でした。
あかしあの里Ⅰ お誕生日会
あかしあの里Ⅰでは十月十一日に誕生日会を行いました。入居されてから初めての誕生日会で、ご本人様少々緊張されていたようでしたが、皆でお祝いの言葉と歌、ささやかですがプレゼントをすると喜んで下さいました。ご本人様も、「ありがとうございます。」と、言ってくださりその後も色々話をしたりしながら楽しい時間が過ごせました。これからも穏やかに楽しく過ごして頂きたいと思います。
有料朱咲 第二回 朱咲合同運動会
十月十一日、南町朱咲と六供朱咲の対抗戦となる合同運動会を開催しました。代表の利用者様による恒例の選手宣誓から始まり、玉入れ・紐回し・風船送り・パン食い競争とレパートリーに飛んだ四競技で得点を競いました。南町チームはパン食い競争では禁断の『手を使ってしまう』という反則があり減点されてしまう一幕も。結果発表では総合得点でなんと同点という結果になり、勝敗はジャンケンでの決着に。ジャンケンの結果、六供チームの優勝!!南町チームは残念ながら準優勝となりました。選手である利用者様を称え全員にメダルの贈呈。「疲れたけど楽しかった」、「またやりたい」と、秋の恒例行事を楽しんでいただけました。
通所リハビリ 「よーい、ドン!!」スポーツの秋。
日頃のリハビリの成果を発揮するため、今年も大運動会を開催いたしました。赤・白のハチマキを巻き、気合に満ちた選手宣誓を行い競技開始となりました。最初の種目は玉入れ。皆様童心に返った様子で夢中で玉を投げている姿がとても印象的でした。僅差で勝ったチームは笑顔いっぱいの万歳を行い、負けたチームは地団駄を踏みとても悔しそうな様子でした。最後は職員によるリレー。利用者様の、「よーいドン!!」、の発声にてスタート!妨害ありのレースで職員は汗あり涙あり笑いあり、会場は大爆笑で結果は紅組の勝利!!今年の運動会もケガ人が出る事なく楽しく終える事ができました。
あかしあの里Ⅲ 秋の運動会
あかしあの里Ⅲでは、十月十日運動会を行いました。一人の利用者様に選手宣誓をお願いすると、右手を高く上げ、「みんなで元気に頑張りましょう」と、大きな声で言って下さいました。広げた傘にお手玉を入れる玉入れでは、負けず嫌いの利用者様は一番多くの玉を入れ、楽しんで下さり、あまり入れることが出来なかった利用者様も、「がんばれ!がんばって!」と、力強い応援をして下さいました。運動会をそれぞれ楽しんで下さいましたが、日頃からも体操など体を動かすレクに取り組んで頂けるようにしたいと思います。
療養棟二階 秋の大運動会
療養棟二階では十月十日に恒例の大運動会を開催いたしました。ラジオ体操から始まり、種目は玉入れ、風船渡し競争、そして皆さんが毎年楽しみにしているパン食い競争です。パン食い競争では、自信がある方は口で取り、不安な方は手で取るなど、それぞれ工夫され、楽しまれていました。最後は職員競争も行い、片栗粉まみれになった顔を見た利用者様が、「大丈夫?凄い顔になったね」と、笑顔で喜ばれていました。今回の運動会はリハビリの成果が発揮出来、楽しい運動会が開催出来たと思います。来年も今年以上の楽しい運動会が出来る様に企画していきたいと思います。
星辰の家 白熱した運動会
十一月二十五日、星辰の家において、GHしらさぎの利用者様との交流を兼ねた合同運動会を行いました。普段のレクリエーションの時間を使って練習を積み重ねてきた玉入れは白熱した闘いになり、「やるなら勝たなきゃね!」、「次も頑張ろう!」と、利用者様同士が声を掛け合う姿がとても印象的でした。パン食い競争では、目の前のパンを逃すまいと奮闘されている利用者様、また頑張っている利用者様の姿を応援して下さる利用者様の声で溢れていました。結果は白組の優勝で幕を閉じましたが、しらさぎ・星辰の家の利用者様が運動会を通して交流が図れ、皆様に大変喜んでいただけて良かったと思います。
明月 第十二回 明月祭
十月二十一日(日)秋晴れの空の下、地域の方々の協力を得て明月祭「文化祭」を開催させて頂きました。伊香保中学校吹奏楽部・あじさいウクレレサークル様にお越し頂き賑やかな文化祭となりました。模擬店では、けんちん汁やおでんなど出品、召し上がった利用者様は、「寒くなったから温かい物が一番だね」、「体が温まる」など喜んで頂けた様子でした。これからも利用者様が喜んで頂けるイベントを企画していきます。
しらさぎ 合同運動会
GHしらさぎでは、十月二十五日に、「星辰の家、合同運動会」を開催しました。利用者様を連れ、星辰の家で行われる運動会に参加。しらさぎは白組に入り、白組の選手代表として、利用者様に選手宣誓の挨拶をしていただいた。緊張の中、大きな声で宣誓すると、硬かった表情も徐々に柔らかくなり、緊張が解れていった様子。第一種目は、”玉入れ”赤と白に分かれ、箱に多く玉を入れた方の勝ち。一回戦目は僅差で赤組が勝ちましたが、二回戦目では白組が勝ち、最後の三回戦目ではなんと同点。利用者様もスタッフもこれに驚き、予定にはなかった四回戦を開始。接戦の中、白組が勝利することができて、「やったー」「ばんざーい」と利用者様も喜ばれていた。次の”パン食い競争”では、利用者様の入れ歯を使ったパフォーマンスを行ったり、賑やかに進行し、最終結果で優勝したのは白組でした。運動会を終え、星辰の家の利用者様とお茶を飲み、親睦を深められる。中には、「友達と会えてうれしかった。」と、話され、開催してよかったと感じました。これからも、しらさぎでは、利用者様が楽しんでいただける行事を考えていきたいです。
あかしあの里Ⅱ 大運動会
十月四日にあかしあの里Ⅱ大運動会を行いました。紅白に分かれ、準備体操をしてから玉入れ、綱引き、パン喰い競争をそれぞれ行いました。自分の所属している組が勝つと「バンザーイ」と、手をあげ喜ばれる姿もありました。また来年も皆で元気に楽しく行えたらと思います。
DSゆめさき 白熱!!ゆめさき大運動会
DSセンターゆめさきでは、二十四、二十六日の二日間、秋の大運動会を行いました。紅組、白組に分かれて最初に選手紹介から始まり、競技開始です。今年の競技は、新聞紙早落とし競争、応援合戦、パン食い競争、職員競技、玉入れです。中でも目玉は今年考案された新競技、新聞紙早落し競争です。両チーム三人ずつで綱引きのような陣形になり紐の上にかけられた大量の紙をうちわで仰ぎ先に全て落としたチームの勝ちとなります。新競技ですが、皆様すぐに理解され大変白熱した展開となりました。他の競技も大変盛り上がり、二日間とも両チーム譲らぬ展開となりました。結果は二日とも紅組の優勝となりましたが、僅差の勝負で白組が勝ってもおかしくありませんでした。運動会には勝敗がつきものですが、甲乙つけがたい両チームの健闘で、利用者様、職員全員の思い出に残る運動会となりました。
涼風の家 怒涛?!のお誕生日会
涼風の家では、入居者様のお誕生日当日に毎回手作りのケーキでお祝いをしています。偶然、同じ月にお誕生日が重なることはよくあることですが、涼風の家では八月が三人、十月はデイ利用者様と合わせてなんと五人の方が重なるという、まさにお誕生日ラッシュ?の状態です。しかも十日~十六日の間に四人重なるという過密ぶり(ちなみに十日は二人)です。まあ、お祝い事が重なるのはおめでたいことなので、いいことなのですが、前述のとおり毎回手作りしているので、本当に大忙しでした。もちろん全員違う種類のケーキで、同じ日の方々も一つのケーキでまとめて・・・、なんて手抜きはしません!!しっかりと二種類のケーキを作らせていただきました。皆さん色とりどりケーキに大変喜ばれていらっしゃいました。何より、ご相伴にあずかる職員はもっと喜んでいたのかもしれません。そんなことだから太・・・・・??
GHゆめさき HAPPY HALLOWEEN!
十月三十一日、GHゆめさきはハロウィンの雰囲気に包まれた。フロアの飾りつけに始まり、仮装をしたり、顔にペイントをしたりとそれぞれが準備を始めて、いざスタート!!昼食には、カボチャを使ったデザートにカボチャに模った人参の飾りで洋食を美味しく食べました!!午後には、ゲーム大会を行いました。景品にお菓子を用意し、おやつには練り切りでカボチャを作り、カボチャづくしの一日でした。季節の代表的は行事となりつつある、ハロウィン。皆で楽しめるイベントとして続けていきたいと思います。
菜摘荘 秋の収穫祭イベント
菜摘荘では八日に秋の収穫祭イベントを行いました。当日の昼食のメニューは、秋の味覚のさんまと栗ごはん、職員の手作りのお新香とみそ汁を提供させて頂きました。朝からテントを張り炭火の準備をして前日に届いたさんまを炭火で焼きました。利用者様も「早く食べたいよ」と、とても楽しみにされていました。午後は皆で歌を歌ってイベントは終了しました。利用者様から「全部、美味しかったよ」と、喜びの声が聞かれ笑顔も沢山見られ食欲の秋を味わって頂けたので良かったと思います。
わきあいあい 秋のコスモス花見
わきあいあいでは、十月四日・九日・二十三日の三日間でお寺とコスモスの花を見に行きました。天気も良く、利用者の皆様も大変、喜ばれていました。夏の暑さも和らぎ、優しい日差しの中、揺れるコスモスは、皆様の心を和ませてくれたようです。暫くコスモスを眺めてから、無事にわきあいあいに帰って来ました。これからの季節、一段と寒くなることも予想される中、とても良い一日を過ごさせて頂きました。
今月の行事予定
☆DSゆめさき☆
1~7日 外食ツアー
8、9日 上映会
10日 久保カラオケショー
13日 富士見フォーク・ダンスの慰問
14、22日 お誕生日会
19~21日 おやつ作り
22日 富士敬子ショー
29日 富士見民謡会慰問
☆涼風の家☆
4日 家族会
28日 オレンジカフェ
30日 よもぎの会慰問
上旬 やまなみ祭見学
未定 おやつ作り
☆療養棟二階☆
7日 買い物ツアー
21日 お誕生日会
28日 おやつ作り(すいとん)
☆あかしあの里Ⅰ☆
1
4日 バラ園ドライブ
下旬 パンバイキング
☆春らんらん☆
5・6・12・13・19・20日 紅葉ドライブ
20日 お誕生日会
☆あかしあの里Ⅱ☆
9日 お誕生日会
中旬 おやつ作り
下旬 紅葉ドライブ
☆明月☆
DS 紅葉狩り
外出リハビリ
GH 焼き芋大会
紅葉ドライブ
合同 音楽療法
☆あかしあの里Ⅲ☆
9日 パンバイキング
16日 日輪寺文化祭
24日 手作りおやつ
未定 紅葉ドライブ
☆GHゆめさき☆
9日 避難訓練
10日 原東文化展 見学
未定 お誕生日会
☆わきあいあい☆
3日 パンバイキング
☆療養棟三階☆
7日 買い物ツアー
21日 おやつ作り
28日 誕生日会
☆GHしらさぎ☆
未定 紅葉狩り(見頃を確認して)
おやつ作り
☆通所リハビリ☆
2日 前橋アコーディオンサークル
7日 アロハエンジェルス
9日 芙謡会
14日 マルラニフラダンス
27、28日 お誕生日会
30日 奏音人
☆朱咲☆
ケアセンター
14日 おたのしみ会
29日 お誕生日会
有料
21日 お誕生日会・焼き芋大会
26日~28日 紅葉狩り
☆菜摘荘☆
中旬 紅葉ドライブ
下旬 お誕生日会
☆星辰の家☆
5~13日 紅葉ドライブ&リンゴ狩り
29日 誕生日会
院長先生の健康豆知識
「生きる事、演じる事」
(ベイシア文化ホール)
先月の十月二十日(土)、ベイシア文化ホールを中心に、群馬県老人保健施設大会が開かれ、今年は私が大会長を務めました。特別講演では女優の高橋惠子氏をお招きし、「生きる事、演じる事」と題し、色々お話を伺いました。この特別公演は、全て私がプロデュースしました。以下は、私が今大会で訴えたいと思った文章です。講演の最後には高橋氏がさすがの圧倒的な声量と表現力で朗読してくださいました。なかなか評判がよかったので、嬉しくて載せる事にしました。
「振り返れば、とても長く介護の仕事をやってきました。三十年よ。(客席の若い女性に向かって)あなた方がまだお生まれにならない時分からやっているのよ。今あなた方の中には、つらい思いをしている方もいるかもしれないけど、私だって最初は大変だったけれど、少しずつ少しずつ仕事が楽しくなってきたの。仕事ってみんなそんな風じゃないかしら。そうしてあなた方は、一人前の社会人になっていくのよ。ねぇ、あなた、今迄生きていく事が辛くて、むなしくて、もう嫌だ!って思った時はなかった?私にはそんな時があったわ。それにね、小さい頃にはね、夜ふと寝床に入った時、たまらなく寂しいって思って、お母さんの布団にもぐり込んだ時があったの。その時のお母さんの温もりが忘れられないの。今から振り返るとね、私が介護という仕事を選び、仕事を続けてきたのは、そんな思いがあったからだって気がするの。私が患者さん達のお母さんになろうと思ってきたというね。みんなには分かって貰えると思うけど、介護の仕事をしていると、人間がとても愛おしく感じるの。ねぇ、そうでしょ?そんな気持ちが芽生えるとね、患者さんと一緒に生きていこうって気持ちになるの。これって、大げさに言うと人間としての同志って気持ちかしら、この年になってくるとね、年を取るって寂しく、孤独になっていく事だっていうのが、しみじみ分かるの。プツリプツリと今までの繋がりが切れていくの。夫や妻とも別れなくてはいけないし、大好きだった友達も少しずつ居なくなるの。出会う事よりも別れる事の方が増えていくの。お金だって減っていくのはつらいでしょ?危ないからといって車とも別れ、身体が動かなくなるから、趣味のダンスやグランドゴルフなどともお別れしなくてはいけないの。認知症になると過去や未来ともお別れしてしまうんですよ。外の世界とつながっているという実感が。なくなると思うの。それがどんなに不安で、恐ろしい事か分かるわよね。私達はそんな人達の前に登場するの。新しい友達という役を背負って登場するの。ねぇ、素敵な役だとお思いにならない?そりゃあ、すぐには受け入れられないかもしれないわね。なにせ私達が付き合うお相手は、『老い』によって散々心も身体も傷ついてきた人達ですもの。時には手をつねられ、顔を張られた時もあったわ。そんな時、何でこんな思いまでして仕事をするのかって思った時もあったわ。あなた方にもあったでしょう?でもね、経験していくと、どうすればそれを乗り越えられるかわかってくるの。私の経験からお話しすると、まずは、やはり患者さんの事をよく知る事ね。そうすると患者さんが、どういう行動をするのか予測することができるの。それから理不尽な仕打ちから『こんちくしょう』って思ったら、友達にその気持ちをぶつけるの。そうすると、何か友情が芽生えてくる事があるのよ。私の友達で、誰もいない所で 大声で叫ぶという人もいたわよ。そんな風にして私は成長してきたの。振り返れば、私が成長できたのは、いい先輩の介護士さんがいて、その人の真似をしてきた事が大きいと思うの。真剣にいい介護士さんという役割の演技を真似して、いい介護士さんの演技を続けているうちに、いい介護士さんはこんな時どうするのかしら。患者さんにとってどんな介護士さんであればいいのかしらと自分を振り返ってきた気がするの、演技するって、自分を振り返る事でもあるのよ。そんな中で、学んできた事の一つが、私達が伝える言葉は、情報よりも感情が大切だと学んできたの。私が同じ言葉と感情を変えて言ってみるから見ていてね。
※ここで認知症役の名倉氏が舞台に出てきて、客席に向かってオシッコをするしぐさをする。
※『おじいさん、オシッコはあそこのトイレでしてね』
※という言葉を、感情と動作を変えながら注意する
言葉ってこんなに違う感情を入れていう事ができるんだ、という事がお分かりかしら。患者さんが実感できるのは、トイレのその場所よりも、感情や心のこもった表情や動作なの。笑顔の違い、目線の違い、動作の違いなどお分かりになったかしら。プロの介護士さんはプロの俳優でもあるの。いい演技者とは心が伝えられる人なの。自分の言葉と身体を使って、どう相手に気持ちを伝えるか、それが演技だと思うの。この頃ようやく私も一人前の介護士という役を演じられる俳優になってきたかなと感じているの。
最初に生きていくのはさびしいって言いましたよね。さみしいからこそ、愛情や思いやりが必要なのじゃないかしら。人間ってそんな存在だと思うの、だから、私達の仕事はとても意味があるし楽しいってつくづく思うの。生きる事は演じるとという事でもあるのよ。人生という舞台で、誰かの心に残る名演技を目指そうじゃありませんか。」
文芸作品
輝ける 太陽の下 元気よく
親子で楽しむ 公園を見る
秋晴れに 脱穀をする 家族あり
吾は静かに 窓辺で眺む
涼風の家デイサービス 阿久津 昌子様
創春館通所リハビリ利用者様
笠尾 悦子様
狩野 英太郎様
リハビリコラム
ロコモティブシンドロームを知ろう!
皆様、「ロコモティブシンドローム」という言葉をご存知ですか?
「ロコモティブシンドローム」とは、和名を「運動器症候群」、略称を「ロコモ」と言います。ロコモとは運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことを言います。解りづらいですね…要は骨、筋肉、関節などに障害が起こり「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態を言います。進行すると日常生活に支障が生じてきます。
現在、健康寿命を損なう一番の原因は運動器の障害によるものとされています。骨や筋肉を鍛える為には適度な運動と十分な栄養とお口の健康が必要不可欠です。ロコモの進行を予防して健康寿命を延ばしていくことが、自分らしい生活を長く送る為に必要なのです。
作業療法士 倉澤 誠
編集後記
今月も最後まで読んで頂きありがとうございました。秋の夜空はきれいな月が良く見えました。皆さんはご覧になりましたか?寒さが段々厳しくなってきますと風邪やインフルエンザも流行します。皆様も体調に充分気を付けて日々お過ごし下さい。来月のさんぽみちもどうぞお楽しみに。
ケアセンター朱咲 池田真寿美